白内障の原因と症状

(2008年7月1日)

白内障とは

人の目は、よくカメラにたとえられますが、かめらのレンズに相当するのが水晶体です。水晶体は9mm、厚さ4mmの凸レンズの形をしていて、膜(嚢)に包まれています。この膜の前面が「前嚢」、後面が「後嚢」と呼ばれています。 一方、水晶体の中身は、透明な組織でたんぱく質と水分から構成され「皮質」と「核」にわかれています。

     

正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性して、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。

  白内障の原因

白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものであり、これを「加齢性白内障」と呼んでいます。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。
加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症が増えてます。

その他、母親の体内で風疹に感染するなどが原因で生まれつき白内障になってるケースや、目のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。

  白内障の症状

白内障では目の中の水晶体が濁ることにより、視力が低下します。水晶体の濁り方はひとりひとり違うため、症状はさまざまです。主な症状としては、「目がかすむ」といったものですが、次のような症状があれば白内障の疑いがあります。また白内障だけでは痛みや充血はありません。

水晶体の濁り方と症状 水晶体の濁り方はひとりひとり違いますが、水晶体の周辺部(皮質)から濁りが始まることが多く、中心部(核)が透明であれば視力は低下しません。
濁りが中心部に広がると、「まぶしくなる」「目がかすむ」ようになります。中心部(核)から濁り始めると、「一時的に近くが見えやすくなる」ことがあり、その後「目がかすむ」ようになります。  

白内障の治療と手術

白内障の治療

日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬や内服薬により、白内障の進行を遅らせます。
これらの薬剤は、水晶体の濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。
白内障以外の病気がある場合は、手術方法を工夫したり、全身状態をみて手術の時期を決めます。
手術を考える時は、医師とよく相談しましょう。

 白内障の手術前検査

白内障の手術を受ける前には、手術が問題なく行えるかを調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、さまざまな検査を行います。
眼内レンズは一ヵ所にピントが固定されているので、手術前に医師と相談して、自分のライフスタイルに合った度数を選んでもらうことが大切です。

●    視力、眼圧、屈折検査

●    眼底検査(網膜の状態を調べる)

●    細隙灯顕微鏡検査(水晶体の濁りの状態を調べる)

●    角膜内皮細胞検査(角膜の内皮細胞が減っていないかを調べる)

●    眼軸長検査(眼内レンズの度数を決める)

●    問診、血圧検査など*水晶体の濁りが進行している場合は、網膜の電気的検査、超音波検査なども行います。

白内障手術の入院期間と日帰り手術

一般には、手術後の管理も含めて3~4日間ほど入院します。最近では、患者さんの全身状態や手術後の通院に問題がなければ、日帰り手術を実施している施設もあります。
日帰り手術は、手術する医師側、される患者側にいくつかの条件があります。日帰り手術を希望される方は、医師とよく相談してください。
日帰り手術を受ける患者さんは

  1. 通院できる人  
  2. 重篤な合併症がない人  
  3. 家族の協力が得られる人 などが条件となります。(病院によって条件は異なります)  
     

日帰り手術を行う医師は 手術後の容態に対して夜間でも敏速な対応ができ適切なアドバイスが可能でなくてはなりません。
  白内障の手術 現在、白内障の手術は主に、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人口のレンズ(眼内レンズ)を入れるという方法で行われています。
白内障が進行して、核が固くなっている場合は、水晶体の核を丸ごと取り出すこともあります(水晶体嚢外摘出術)。
手術は局所麻酔で行われます。手術時間は目の状態により異なりますので、担当医師にお尋ねください。
手術を受ける時は医師を信頼し、不安にならずに精神的安定を心掛けましょう。

●    リラックスする

●    目は軽くつぶる

●    頭は動かさない

●    楽に呼吸する

目の手術というと怖いイメージがありますが   、白内障の手術は進歩し、材質のよい眼内レンズも開発されているので安心して手術を受けてください。

  白内障手術後の経過と養生

手術直後は、目が充血することがあります。また目がゴロゴロする、涙がでる、目がかすむなどの症状が出ることもありますが、これらの症状は数日から1~2週間で治まります。
手術後は1~3ヶ月は、手術で起きた炎症を抑え、感染を防ぐために、医師の指示どおりに点眼薬を使用します。
手術の翌日からでも疲れない程度に目を使ってもかまいません。
術後の見え方で、色調の違和感やまぶしさを感じることがあります。色調の違和感は次第に慣れていきますが、まぶしさが続くようであれば、症状を緩和させるために色つきの眼鏡の使用をおすすめします。
仕事への復帰は早い時期にできますが、患者さんの全身状態や仕事の種類などによって違ってくるので、医師に相談してください。
手術後しばらくの間は、定期検診を受けましょう。
眼内レンズには、ピントを合わせる調節力がないので眼鏡が必要になります。手術後2週間~2ヶ月頃には、視力が回復し安定してくるので、この時期に自分の視力に合った眼鏡をつくります。 

後発白内障のレーザー治療

白内障の手術後、数ヶ月~数年して、また「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。これは「後発白内障」といわれるもので、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。
後発白内障は手術の必要がなく、レーザーを使って簡単に濁りを取ることができます。視力はすぐに回復し、入院の必要もありません。